和歌文学テキストデータ構築計画

TEI 和歌ビューワ

TEI Waka viewer

TEI和歌ビューワの機能説明

はじめに

このサイトでは、和歌文学の翻刻テキストを提供しています。
ここではTEI和歌ビューワに現在実装している検索・表示機能について紹介します。

基本

テキストの再構成

 画面右側の「テキストの再構成」機能では、データで底本に採用した本文と、マークアップした底本を含む各対校伝本の本文を切り替えて表示することができます。基本的に漢字仮名の書き分けなどは含まず、本文の異同のみを記述しているため、完全なテキストの再構成にはなっていないことにご注意しつつご利用ください。

テキスト構造

 「テキスト構造」では、作品の「本文」と、書籍で言えば資料編や索引に相当する「付属情報」を表示し、ご覧いただくことができます。「付属情報」では「解説リスト」「典拠リスト」「参考歌リスト」「人物リスト」を縦書きでまとめて読むことができます。

表示オプション

 「表示オプション」では、対象のテキストにない情報を本文中に表示することができます。「脚注を表示」では、本文の下に表示された校異一覧の表示/非表示を切り替えられます。「勝負を表示」では、勝負が記載されておらず勝ち負けが判然としない歌合に対しても、データ上で勝負の情報をマークアップすることで本文の各「左」や「右」の下に〔勝〕や〔持〕を表示できます。「国歌大観番号を表示」では、『新編国歌大観』番号の表示・非表示が選択できるようになっています。

参照関係

 画面右側の「参照関係」メニューでは、「人物」「和歌」「参考歌」「典拠」「対校資料」「IIIF画像」について、各タグにxml:idを付与したことで他のタグから@corresp、@targetなどの属性(アトリビュート)で参照している部分を一覧にして表示できます。見出し部分の()の中がxml:id名で、そこにカーソルを合わせると付属情報の各リストが自動スクロールされて表示されます。「参照している箇所」の各本文にカーソルを合わせると、本文の該当箇所が自動スクロールされて表示されます。

検索

  • 画面右側の「検索」メニューでは、「歌合」と、勅撰和歌集などの「和歌集」に対応できるよう、検索項目として「歌」「詞書」「作者」「左注」「勘物」「判詞」「序」「奥書」「参考歌」「典拠」「解説」を設けています。
  • 「歌」を選択したあとに「勝」「負」「持」を選択すると、勝ち歌、負け歌、持の歌だけが検索・表示できます。
  • 「作者」を選択したあとに「男」「女」「僧侶」を選択すると、男性歌人、女性歌人、僧侶歌人の歌だけが検索・表示できます。
  • 「判詞」を選択したあとに「歌論的」「自歌」「漢文」「和文」を選択すると、歌論的内容を含む判詞、判者が自歌を判ずる判詞、漢文の判詞、和文の判詞が検索・表示できます。
  • 「参考歌」を選択し、「本歌」「先行歌」「参考歌」「影響歌」を選択すると、以下の各参考歌の種類別に検索・表示できます。「本歌」は注釈対象の本歌と認められる和歌、「先行歌」は注釈対象の先行歌と認められる参考歌、「影響歌」は注釈対象が影響を与えたと認められる後代の参考歌として記述したものを検索・表示できます。以上を区別しないという場合は大まかな参考歌全般を「参考歌」として記述し、検索・表示することもできます。いずれで検索・表示されるかはデータ内でどのように記述しておくかによります。このように参考歌を区別することで、新古今時代の表現の影響関係など、詠出時期の先後関係を厳密にしたい場合にも、大まかに参考歌を示したい場合にも対応しています。
  • 「典拠」を選択し、「和歌」「判詞」を選択すると、なんらかの漢籍や物語などの典拠が指摘できる本文を、和歌と判詞を区別して検索・表示することができます。
  • 「解説」では対象テキストに研究者が加えた解説の文面を検索・表示することができ、書籍の注釈書の注釈や、『新編国歌大観』の「解題」に相当する研究者の解説を読むことができます。

*各検索、表示のために各要素をどのようにマークアップしているのか、詳しくはTEI/XMLファイルをご覧ください。

使い方動画

TEI和歌ビューワの使い方を解説しています。
なお、公式YouTubeチャンネルで関連動画をご視聴いただけます。

公開作品

作品の解説はこちら

千五百番歌合xml

Text Encoding|幾浦裕之 加藤弓枝 田口暢之
翻刻・校異|田口暢之 幾浦裕之(校異)
研究代表者|加藤弓枝
*テキストの再構成、本文と付属情報、校異情報(parallel-segmentaion)、IIIF対応画像表示、勝負の表示切替、『新編国歌大観』番号の表示切替、書誌情報、人物、和歌、参考歌、典拠、対校資料の参照関係、歌の勝負別、作者の属性別、判詞の歌論的判詞、自歌判詞、漢文判詞、和文判詞別、奥書、参考歌の本歌、先行歌、参考歌、影響歌別、和歌中の典拠と判詞中の典拠別、解説(研究者による注釈)の検索と表示

石清水社歌合xml

Text Encoding|幾浦裕之 永崎研宣(IIIF対応)
翻刻・校異|田口暢之
研究代表者|加藤弓枝
*テキストの再構成、本文と付属情報、校異情報(parallel-segmentaion)、IIIF対応画像表示、『新編国歌大観』番号の表示切替、書誌情報、人物、和歌、現代語訳、対校資料の参照関係、作者の属性別の検索と表示

古今和歌集xml

Text Encoding|幾浦裕之
翻刻|幾浦裕之(校閲) 金子佳央 玉井楽乃 越田健介
制作|国文学研究資料館
*テキストの再構成、本文と付属情報、校異情報(parallel-segmentaion)、『新編国歌大観』番号の表示切替、書誌情報、人物、序(章・節番号付与)、和歌、奥書、対校資料の参照関係、歌、詞書、作者の属性別、左注、勘物、序、奥書の検索と表示

TEI和歌ビューワ

*「TEI和歌ビューワ」と「TEI和歌ビューワの開発について」の項目は、TEI古典籍ビューワのサイト解説を参照しています。

自分のTEI準拠ファイルでTEI和歌ビューワを使用する場合

以下のURLにて自分のTEI準拠ファイルを読み込ませてください。
*このビューワでは、ファイルはサーバにはアップロードされず、ブラウザ内で処理されます。
https://wakatext.org/waka_viewer/

制限事項

  • TEI和歌ビューワの機能を利用するには、ご自身のTEI準拠ファイルの<teiHeader>のはじめにある<title>、つまりTEI > teiHeader > fileDesc > titleStmtの<title>要素が、「和歌集」を含む、または「歌合」で終わるようにしてください(このルールに則ることにより、作品に適した表示となります)。
    例:<title>新古今和歌集</title> 和歌集モードで表示されます。
    例:<title>六百番歌合</title>  歌合モードで表示されます。
    作品名に「和歌集」や「歌合」が含まれていない場合でも「<title>伊勢集(和歌集)</title>」のように記述すると和歌集モードで表示されます。
  •     
  • Webブラウザでの処理を前提としているため、大きなファイルを表示しようとするとブラウザがフリーズしてしまいます。PCの性能にもよりますが、2MBくらいが一つの目安になります。
  • TEIガイドラインにおいて提供されるエレメントへの対応状況は、TEI古典籍ビューワに準じます。

TEI和歌ビューワにおける利用技術

TEI和歌ビューワでは、和歌資料のテキストデータの記述に際し、Unicodeに準拠して文字を正規化した上で、TEI (Text Encoding Initaitive)ガイドラインに準拠したテキストの構造化を行っています。 また、資料の画像はIIIFに準拠した仕様で公開した上で、TEI準拠テキストから参照できるようにしています。

*TEIガイドラインに準拠したマークアップの方法については、以下のサイトをご覧ください。

IIIFの導入の仕方

TEI和歌ビューワで表示されている画像データは、IIIFに準拠した形で公開した上で上述のようにTEIガイドラインに準拠した記述方法でリンクしています。

TEI和歌ビューワの開発について

TEI和歌ビューワは、一般財団法人人文情報学研究所が公開している TEI古典籍ビューワ を基礎としています。これは、縦書きを含む日本や東アジア漢字文化圏のテキスト資料を適切に扱うことを目指して開発されているTEI準拠古典籍テキスト用ビューワです。TEI和歌ビューワは、このTEI古典籍ビューワに対するカスタマイズ版として開発されています。開発は、フェリックス・スタイルの本間淳氏が行いました。

感想フォーム

TEI和歌ビューワを実際にお使いになってみたご感想を、以下のフォームよりお寄せください。

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